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  4. もうほんと、めんどくさい『フッ素論議』④

もうほんと、めんどくさい『フッ素論議』④

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フッ素のことを語り始めると、キリがないし、何十年たってもちっともわかってもらえないので、正直私個人は、もうウンザリという感じです。

 

フッ素は使い方さえきちんとすれば、安全でかつすごくいいものですよ!

念を押しています。 

 

 今回のブログは他のところから引用したものを載せています。

 

フロリデーションとは、水道水や、食塩、牛乳にフッ素をまぜてむし歯予防することです。

 

WHO/FDIが奨める むし歯予防法の順位

1位 水道水フッ化物添加(フロリデーション)

2位 学校・幼稚園でのフッ化物洗口・フッ化物塗布などの局所応用

 
3位 学校などでのシーラント

 
4位 砂糖の摂取制限

5位 歯磨き(フッ素入り歯磨き剤使用が条件)

WHO(世界保健機関) FDI(国際歯科連盟)

 

↑このことが何を示しているか?つまり、むし歯予防に一番効果があるのは、歯ブラシや、砂糖を取らないことではなく、フッ素予防だということです。

 

 

 


WHOの発表では、1990年から2000年の10年間で、種々のフッ化物の応用法が全世界で急速に普及しています。

 世界の水道水フロリデーション 数値は全人口に対する割合(%)↓

香港
シンガポ一ル
コロンビア
アイルランド
マレーシア
オーストラリア
ニュージーランド
アメリ力合衆国
キリバス
イスラエル
チリ
カナダ

100
100
80
70
70
67
64
62
60
45
42
41

 

ブラジル
フィージー
ギアナ
リビア
アルゼンチン
中国
スリランカ
韓国
チェコ
イギリス
スペイン
ザンビア

41
36.4
29.3
26
21
16
15
15
14.7
13.2
10.2
10

ジンバブエ
スウェーデン
タイ
フィリピン
フィンランド
ベトナム
スイス
メキシコ
フランス
ペルー

8.8
8.4
8.4
7.
5.3
5.3
4.8
4.0
3.0
2.4

 ちなみに日本のフロリデーションは0%

 

 

もし、フッ素に反対する方がいらっしゃるなら、海外旅行、ましてや、お子さんを海外留学させるなんてことはやめさせるしかありません。多くの国がフロリデーションしていますから。

 

 

水道水のフロリデーションの利点は、どのような悪い環境の子どもや大人も、身体に障害のある人も高齢者もだれもができる小さな努力で平等にむし歯を予防できる点です。

アメリカでは水道水のフロリデーションは20世紀における公衆衛生の10大成功事業の一つと評価されています。


CDC’s Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR) April 02, 1999 / 48(12); 241-243 

 

 

 

 

フッ素は、特殊な元素ではなく、自然界に多く含まれているものです。

 

 

 

 

 はい、過去4回にわたってフッ素のことを書いてきました。フッ素の予防が普及して、むし歯が減れば、日本の歯科界の全体の患者数はたしかに激減するかもしれません。

 

それでもむし歯を減らす運動をしている私たち歯科医。

 

ある歯科の先生ががこんなことを言っていました↓

「日本での『フッ素反対論』は、カルト集団の『フッ素反対教』みたいなもの。

ごく少数派のフッ素反対論の歯科医師はその教団の教祖様みたいなもの。

 

正しい知識を受け入れようとせず、自分に都合のいいデータなどを集めてきて、あたかもフッ素が人体に影響をあたえる毒薬かのように信じ込み、せっかくの我々歯科医師の努力を無にしてしまう。

 

フッ素を普及させることは歯科医師が患者さんのためにやっていることでしかない。

 

フッ素を反対する人の中には、フッ素が普及しないほうが利益になると考える歯科医師もいるし、余計な仕事が増えてしまうことに難色をみせる教育関係者もいる。なにかあったら誰が責任をとるのだ!と言ってくるひともいる。

 

歯科でのフッ素応用にもっとも詳しい歯科医師のほとんどが、自分への家族へもフッ素を使っている。

それなのにいったいいつになったら、理解してもらえるのだろうか!」と。

 

↑少々乱暴な表現なので、この先生の発言には、気分を害する方もいるかもしれません。

・・・・が、決して的外れではないと思います。

 

[結論]

以上のことをふまえて、それでもフッ素に反対しますか?

 

私は患者さんや、友人、家族にこれからも言います。

「フッ素は正しく使用すれば、すごくいいものです。安心して使用してください!」と。

 

 

 

 

ブログを書きはじめて10年以上経ちました。プライベートな事や歯科治療・地域の話題など、書いた当時は一般的だった内容や表現が今では適切ではないものもございます。過去の記事をご覧になる際は予めご了承ください。