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歯科のウンチク話

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このワシントン大統領の肖像画、口元が一文字に結ばれていてすごくにらんでいるようにみえますね。どうしてだと思いますか?それは歯を食いしばっていなければいけない理由があったからです。

彼は上下入れ歯だったらしいのですが、そのころの西洋のいればというのは上下がスプリングでつながっているものでした。そのために噛みしめていないとそれが飛び出してしまうという事情があるからなのです。

ワシントンの入れ歯↓

 

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同じ時期の日本の入れ歯は現在と同じように上下別々で1500年ごろにはある程度の形がすでにできていました。それは日本人の手の器用さということが関係していたのです。仏像彫刻にみられる木工技術に支えられて当時では世界で最もすぐれた精巧な義歯をうみだしたのです。

口の中を蜜蝋で型をとり、それをみながら、ノミ、手斧、ノコギリ、などの大工道具でアゴの部分を作っていったのです。歯の部分には牛骨や鹿の角を彫刻して糸で結び付けました。

その木でつくった入れ歯の中には、お歯黒をまねて歯を真っ黒にしたものまであります。入れ歯師という人がつくっていたそうです。

『南総里見八犬伝』を書いた滝沢馬琴は総義歯を3両(今なら数十万円か、それ以上ですね、たぶん)でつくってもらったが、よく合わずかむと痛いしとても苦労したそうです。

今なお、ご健在の何代か前の某元総理大臣の入れ歯は500万円だと聞いたことがあります。まだインプラントがそれほど広まっていない、随分前のお話ですが・・・。

今も昔も歯をだめにしてしまうと、すごく苦労してしまいます。1本数十万円かかるインプラントや、500万円の入れ歯などより、ただで親からもらった自分の歯(但し健康でじょうぶな歯)のほうが、はるかにすぐれているものなのです。ですからまめに歯科医院をおとずれてメインテナンスをしたほうがいいですよ。

※参考文献『歯の風俗誌』長谷川正康

ブログを書きはじめて10年以上経ちました。プライベートな事や歯科治療・地域の話題など、書いた当時は一般的だった内容や表現が今では適切ではないものもございます。過去の記事をご覧になる際は予めご了承ください。