院長のブログ

 

先日の朝ズバという番組で、札幌のある歯科医院が問題になっている というニュースをやっていました。

患者さんの治療費を無料にしているクリニックがあるというのです。

実はこの問題少し前から私たちの間では話題となっています。

まず一般的な保険の仕組みについてお話しします。治療費が¥1000だった場合、3割負担の保険証をもっているかたは、¥300円を窓口ではらいます。残りの¥700円は健康保険から医院に支払われます。生活保護などの場合、¥1000すべてが保険から支払われ、本人の負担は¥0円です。

この仕組みは保険治療の場合どの医院でも医科でも歯科でも同じです。

札幌の医院はこの本人負担の3割を窓口ではらったあと、となりの系列のNPO法人に領収書をもっていき、アンケートをかくとアンケートの労務料として、歯科医院ではらった3割がもどってくるという仕組みなんです。

これを聞いて私の最初の感想・・・「よく考えたな」という感じです。確かに法の隙間をついているようで・・・・。

他の医院のことを、あーだこーだと語るつもりはありません。ですから決してそのクリニックを非難するつもりはまったくありません。ただある患者さんから私にその医院について聞かれましたので、一般的に私たち同業者がどういう風に考えているか?ということをお話しします。

まず健康保険での治療を割引することは法律で禁止されています。(親戚やスタッフの治療でさえ割引してはいけないようになっいています。)

①それは安易に病院にいく傾向が出来て医療費の増大につながること、

②医療の質の低下(技術、材料)をひきおこすこと、

などです。ですから札幌の医院は法に引っかからないように、NPO法人を立ち上げそこをとおしたわけです。

 現在日本全国の歯科医院数は過剰になっています。閉鎖する医院もありますし。いろいろと変わった歯科医院も多くあります。

しかし先進国のなかで特に日本の歯科医の数が多いというわけではありません。人口比で換算すると同じか、やや少ないていど。

では、なぜ歯科医が過剰といわれてきたのか?

それは実は健康保険の仕組みにあるのです。健康保険で治療する場合、アメリカの1/10程度の料金で治療をしなければいけません。例えばアメリカだと歯の1本の治療に20万円~30万円かかるものでも、日本では1万円~2万円とか・・・・。(実は材料費や製作料が医療費より高くなる治療も沢山ありますが、料金は規定できまっていますのでそこは赤字分野です。)

いい材料や機械をつかったり、、丁寧な治療をやっても保険では一律なんです。よく「あそこの歯医者は高い」という噂話がありますが、保険治療はどの医院でも同じなんです。そのためにある程度人数をみないといけない現実もあります。

「よく考えたな」と上記しましたが、そういうやり方をまねしたいと思う先生はあまりいないと思います。法は解決したとしても、です。

なぜなら(歯科は確かに過剰ぎみですが)、昔と今では歯科医院がめざす方向がかわってきているからです。多くの患者さんを短時間で診療していく、のではなく、1人1人の治療に時間をかけ丁寧に、質の高い内容を提供していく医院がふえました。

それをしようとすると1日に多くの患者さんの治療はできません。3割を無料にして数をこなしていくやり方は、決して質の向上には結びつかないわけです。

 ですから遠目からみて逆に「大変だろうけど、がんばってくださいね」としか言えませんので、応援することにしておきます。

 

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